日本では、過去にソフィアAやルテジオンなどの中用量ピルが流通していました。
しかし、現在は製造が中止されており、流通している中用量ピルは「プラノバール」1種類のみです。
日本製の中用量ピル
- プラノバール
- ソフィアA
- ソフィアC
- ルテジオン
- エデュレン
中用量ピルの種類は?一覧表をチェック
現在、日本で使われている中用量ピルは、「プラノバール」1種類のみ。
しかし、中用量ピルの種類自体は、たくさんあります。
現在使われている 中用量ピル | プラノバール |
---|---|
過去に使われていた 中用量ピル | ソフィアA ソフィアC ルテジオン エデュレン |
海外で使われている 中用量ピル | マイクロジノン50 オブラル ジェニー |
ソフィアAやルテジオンなどの中用量ピルは、製造が中止されているため、現在は使われていません。
製造が中止された理由は、明らかにされていませんよ。
そもそも中用量ピルとは?効果一覧やほかの種類のピルとの違い
中用量ピルは、「女性ホルモン」が主成分の医薬品です。
低用量ピルやミニピルよりも、配合されている女性ホルモンの量が多く、強い作用が期待できます。
なお、理論上、中用量ピルには避妊効果も期待できます。
しかし、副作用が出やすいため、現在は避妊目的で処方されることはほとんどありません。
避妊目的で処方されるピルには、低用量ピルが挙げられます。
生理日の移動
中用量ピルには、生理を前倒ししたり遅らせたりする効果が期待できます。
生理日の移動やコントロールができるのは、中用量ピルの服用で女性ホルモンがコントロールされるためです。
中用量ピルを服用中は生理が一時的に止まり、服用をやめると数日で出血が起こります。
生理日の移動には、低用量ピルやミニピル(ノアルテンなど)が使われることもあります。
中用量ピルと低用量ピルの違いは?
中用量ピルと低用量ピルの違いは、含まれている有効成分(ホルモン)の量です。
有効成分の量が多い中用量ピルは作用が強い一方、副作用も出やすい点が特徴です。
一方、低用量ピルは副作用のリスクが少ないですが、作用が弱いため長期間服用する必要があります。
中用量ピルと低用量ピルの違い
分類 | 中用量ピル | 低用量ピル |
---|---|---|
服用期間 | 7〜14日間 | 14日以上 |
副作用のリスク※ | 高い | 低い |
種類 | 1種類のみ | 8種類 |
※血栓症など
中用量ピルとミニピル(ノアルテン)の違い
中用量ピル(プラノバール)とミニピル(ノアルテン)は、配合されている成分が異なります。
中用量ピルは、卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン、2種類の女性ホルモンで構成されるピルです。
一方、ミニピルに含まれるのは黄体ホルモンのみです。
分類 | 中用量ピル | ミニピル |
---|---|---|
成分 | 卵胞ホルモン | 黄体ホルモン |
(女性ホルモン) | 黄体ホルモン | |
血栓症リスク | あり | なし |
取り扱いクリニック | 1種類のみ | 8種類 |
中用量ピルに含まれる、卵胞ホルモン(エストロゲン)は、血栓症の原因となる成分です。
ミニピルには血栓症の原因となる成分(卵胞ホルモン)が含まれていません。
なお、ミニピルは流通量が少ないため、手に入りにくい点がデメリットです。
月経困難症(PMS)の治療
中用量ピルは、月経困難症の治療にも使われています。
月経困難症とは、生理前〜生理中にかけて発現する不快な症状の総称です。
- 生理痛や腰痛、頭痛
- 不安感やイライラ
- 下痢や嘔吐
- 食欲不振や食欲増進
月経困難症の治療には、低用量ピルや超低用量ピルが使われることもありますよ。
その他の婦人科系の病気の治療
中用量ピルは、子宮内膜症を始めとした、婦人科系の病気の治療にも使われています。
▼中用量ピルを治療に使う病気の例
中用量ピルに関する注意点
中用量ピルには、生理の移動や月経困難症の改善など嬉しい効果が多い一方、副作用やリスクも存在します。
また、服用の目的によって保険適用の有無が変わることも特徴です。
▼中用量ピルの注意点
中用量ピル(プラノバール)には副作用がある
中用量ピルには、頭痛・吐き気・不正出血などの副作用があります。
▼中用量ピルのよくある副作用
- 頭痛や眠気、だるさ
- 吐き気や気持ち悪さ
- 嘔吐
- 不正出血
- むくみ
症状がひどい場合には、痛み止めや吐き気止め、むくみ緩和薬で対処することも可能です。
副作用を緩和する薬はドラッグストアや薬局で購入するか、病院で中用量ピルと一緒に処方を受けましょう。
中用量ピルは血栓症の確率がやや高い
中用量ピルは、低用量ピルよりも血栓症のリスクが高めです。
リスクが高いのは、血栓症の原因となる成分(エストロゲン)の配合量が多いためです。
ピルの種類 | 血栓症の確率 |
---|---|
中用量ピル | 0.1〜0.2% 1,000人に1〜2人 |
低用量ピル | 0.03〜0.09% 10,000人に3〜9人 |
血栓症は、脳梗塞や心筋梗塞などの原因になる症状で、血管に血の塊(かたまり)が詰まることで起こります。
発症が不安な方は、より低リスクな低用量ピルを使うのがおすすめです。
中用量ピルは保険適用されないこともある
中用量ピルは、保険適用の対象の医薬品です。
しかし、服用目的が「病気の治療」に該当しない場合は、保険適用が受けられません。
保険適用 ※3割負担 | 下記の治療 ・機能性子宮出血 ・月経困難症 ・月経周期異常 ・過多月経 ・子宮内膜症 ・卵巣機能不全など |
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適用外 ※全額負担 | ・生理日の移動 ・避妊 |
生理日の移動を目的に中用量ピルを服用する場合は、保険が使えません。
また、保険適用を受けるためには、病院での検査や病気の診断を受けることも必要です。